各SNSの特徴

各SNSの特徴

今やSNSは広報・PRのツールとして欠かせない存在になりました。

私がPR会社に入社したとき、SNSは4大マスメディアの補完的な存在でした。しかし、いまでは主役の座に座ろうとしている存在です。

また、Z世代(※)の人は新聞をとっていない、雑誌は読まない。テレビではなくYoutubeやTikTokを見る。(※Z世代については、明確な定義があるわけではありませんが、一般的には1990年代後半から2012年頃に生まれた世代の人達をさします)

このような状況下で、Z世代に向けて広報・PRを行うにはSNSにちゃんと向き合うしかない状況です。

しかし、各SNSの利用者は年代別によって違いますし、その特徴も異なります。各SNSの特徴・利用状況を鑑みて広報・PRに活用していくことが必要です。

しかし、普段、SNSをLINE位しか使わない人も多いと思いますので、この記事では、SNSの利用者数とその属性、特徴について記載します。

各SNSの利用者数

まず、各SNSの利用者から見ていきましょう。

Twitter 4500万人
Instagram 3300万人
FaceBook 2600万人
Line 9300万人
YouTube 6900万人
TikTok 950万人

(データ参照元 https://www.comnico.jp/we-love-social/sns-users

やはりLINEがダントツに利用者数が多いですね。

LINEはSNSというカテゴリーに分類されていますが、どちらかというと、連絡を取り合うためのメッセージアプリと受け止めている人が多いのではないでしょうか。

各SNSの年代別・性別利用者実態

各SNSのおおよその利用者数がわかったら、次は、各SNSの年代別・性別の利用実態を把握しておきましょう。

これに関しては、総務省情報通信政策研究所がまとめた資料がありますのでそれをダウンロードしてお読みになるのが一番確かだと思います。次にURLを貼っておきますのでご確認ください。なお、この資料は令和4年8月時点でのものです。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000831289.pdf

各SNSの特徴

次は各SNSの特徴について見ていきましょう。

それぞれのSNSの特徴を理解した上で、広報・ PR戦略を立てていかなくてはいけませんね。まずは、登録者が一番多いLINEからです。

Twitterの特徴

SNSの代表格と言えばTwitterと言えるのではないでしょうか?
40字までの短文コミュニケーションが中心ですので、気楽な感じで利用している人も多いと思います。利用しているのは10代〜50代の幅広い年代に渡り、その平均年齢は36歳(2020年12月発表)とのことです。

RT(リツイート)機能による情報の拡散性が最大の特徴と言えます。よく、「お笑い芸人のつぶやきが炎上した」というようなニュースを聞きますが、これは主にツイッター投稿のことを指しています。このようなことからも分かるように話題作りに優れているツールということが言えます。

ツイッターは広報・PRのツールとして、すでに定着した感がありますね。使い方としては、その企業の商品を購入し、スマホで写真を撮りハッシュタグをつけてTwitterに投稿してもらうと何かプレゼントをあげますというようなPRキャンペーンはもはや定番となっています。

こういったPRキャンペーンはかなり多いことから、ユーザーは、ハッシュタグをつけたキャンペーンには慣れてしまっているので、なかなか思ったような効果が上げれないことも多くなってきています。

そのため、今後ツイッターを使ったPRプロモーションで成果を上げるためには、今まで他社が行ってこなかったような、斬新なアイデアを用いたプロモーションが必要となってくるでしょう。

Instagramの特徴

画像や動画の投稿に特化したSNSと言えます。

画像や動画を気軽に投稿することができて、それをユーザー同士で共有することもできます。

SNSと聞くと、拡散性が高いというように感じるかもしれませんが、InstagramはTwitterに比べると、拡散性という点では比較にならないくらい低いものがあります。しかし、拡散性が低い分、Facebookなど他のSNSとアカウントを連携し拡散性を高める必要があると言えます。

Instagramと聞くと女性のユーザーが多い印象があるかもしれませんが、男女比率は43%:57%と若干女性が多い程度です。

また、ユーザー年齢層は10~20代の若年層の利用率が高い傾向があり、50代以上のユーザーは少なくなっています。

Instagramは画像中心の投稿となるため、とファッション関係、化粧品、美容関係の企業では積極的に利用したいツールと言えます。

LINEの特徴

日本国内の月間アクティブユーザー数は約9,200万人(2022年3月時点)にもなり、ほぼ全世代の人々が使うSNSと言ってもいいでしょう利用目的ですが、主にメッセージのやりとりに使われます。

最近では電話の代わりとして通話に使う人も多くなりました。LINE同士で通話する場合、通話料がかかりませんので通話料の節約になります。通話品質も特に問題はなくストレス無く会話することができます。

LINEにはプッシュ通知という機能があります。この機能は、LINEアプリを起動していない場合でも、ユーザーのスマホに、メッセージが通知される仕組みのことです。メールなどと比較しても格段に送信したメッセージが読まれやすいことが特徴です。

通勤時間帯、昼休みなど、ユーザーがスマートフォンを操作している可能性の高い時間にて情報発信を行うと開封率の向上が見込めます。

YouTubeの特徴

YouTubeがSNSというカテゴリーに入ることに違和感を持つ人も多いと思います。「YouTubeは動画投稿サイトじゃないのか?」という意見ですね。

ウィキペディアにはSNSの定義を次のように記載しています。

ここから引用
広義には、社会的ネットワークの構築のできるサービスやウェブサイトであれば、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下、SNS)またはソーシャル・ネットワーキング・サイトと定義される。このため、電子掲示板やメーリングリストもSNSに含まれることがある。
ここまで引用

どうでしょう?

SNSの定義をもっとフランクな表現をすると「そのサービスにアカウントを開設した利用者同士がインターネット上でメッセージ交換などができるサービス」となるのでしょう。

YouTubeは投稿された動画にコメントを入れ、投稿者と交流したり、その動画に評価を付けることもできます。また、コメントを入れた人同士がコメントで交流をすることもできます。

こういうことを鑑みるとSNSと言えますよね!

YouTubeは、広報・PRのツールとしては一番なのではないでしょうか?無料で使うことあができますから何と言ってもコストパフォーマンスは最高です。

しかも、その動画を観て、「面白い」「ためになる」などと感じてもらえれば、Twitterやfacebookなどで拡散されることもあります。そうなれば、時によってはテレビで取り上げられたとき以上にその動画が拡散されることもあります。これを広告価値に換算すれば一体いくらになるのでしょうか?数億円程度の価値があるかもしれませんね。

FaceBookの特徴

Facebookの特徴はなんといっても実名と顔出しで投稿をするというところでしょう。匿名のツイッターとは違い安心感はあります。

現在、FaceBookは日本において、ユーザー数の伸びは頭打ちになっています。特に若年層の利用率は低めです。FaceBookは「おじさんがするもの」という印象を持っている人も多いようですね。実際に使っていると、確かに若い人は極端に少なく、中高年の男性、特に自営業者、会社経営者が多いという実感です。

また、Facebookへの投稿内容を見ていると、自分のビジネスに繋げるような伏線を張っていると感じられる投稿が多く見受けられます。Twitterのように純粋に投稿を楽しんでいるというよりも、自分のビジネスにつなげて利益を得るためにフェイスブックを利用していると感じられる投稿者の方が多いような感じがしますね。

Facebookには、個人のアカウントとは別に、Facebookページと呼ばれるページを開設することができます。主に企業や団体等が情報発信やコミュニケーションを目的として運用されています。

個人アカウントのページではビジネスを展開することができませんので、ビジネスに使う場合には、FaceBookページを利用することになります。

オークの企業団体がfacebookページを活用して広報PR業務を行っていますこのfacebookページを利用して効果的な広報PR業務を行うためにはまず、先行企業で成功しているページを探し出し、その投稿内容を分析することから始めるといいと思います。

例えば、ANAなどはFaceBookページを非常に有効に利用していると思います。広報・PR担当者だけでなく、現場の各部門で働くスタッフからの投稿もあります。また、イベントの案内や空港内のちょっとした施設のPRやクイズなど。投稿が実にバラエティーに富んでいて、見ていて飽きない工夫がされています。

TikTokの特徴

TikTokは、YouTubeと同じく、動画を投稿するプラットフォームです。YouTubeと大きく違うところは、投稿できる動画の長さが最大で3分という制限があります。また、主流となっている動画の長さは15秒です。

この短い動画を次々と上にスワイプしながら観ていくという楽しみ方が主流になっています。YouTubeの場合は、有料の契約をしていなと強制的に「広告」を見さされてしまいますが、TikTokの広告は自由にスキップできるため、ストレスが少ないというメリットがあります。

私もTikTokをよく利用しますが、電車を待っている時間、病院や郵便局など、数分から数十分の待ち時間を潰すには最適のツールです。YouTubeだと尺の長い動画が多いので暇つぶしにはあまり適していないように感じますね。

さて、TikTokと聞くと、「あれってなんか若い女の子がダンスしたり歌ったりしてる動画がいっぱい上がってるやつだよね」という印象を持ってる人が非常に多いかと思います。

確かに、少し前は十代の若者が中心で投稿されている動画もそのような動画が圧倒的に多かったようです。

しかし、最近では30代から40代のユーザーも増えてきていて、投稿される動画の内容も以前とは違い、動物系、ライフスタイル、エンタメ、ドラマ、飲食など幅広いジャンルの動画が投稿されています。

TikTokを広報・PRに活かすには次の2つがキーになります。
1インフルエンサーの活用
2視聴者を巻き込んだ企画

インフルエンサーの活用について

TikTokには、「TikTok売れ」と呼ばれる言葉があります。これは、TikTokに投稿されている動画を観たことがきっかけとなり、化粧品、雑貨、食品などあらゆる商品が購入される現象のことです。

たとえば次のような事例があります。

筒井康隆が1989年に発表した小説『残像に口紅を』が、TikTokで紹介されたことで2021年7月以降に約11万部も増刷されました。この書籍は最近の本ではなく、今から30年前の作品にもかかわらずです。

人は「自分が信用している人」「好きな人」こういった人の紹介であればそれほど躊躇することなく商品を購入したりしますよね。

TikTokを観ていて、自分が気に入った動画投稿者などが使っている商品や食べている物「これいいわぁ」と言っているものが売れる現象はこのようなことからも説明ができます。

インフルエンサーを使った商品の販売などは、割と早く結果が出やすいので、短期間での成果を望むのであればインフルエンサーを利用することも考えてはいかがでしょうか?インフルエンサーを紹介してくれるプロダクションや会社などがあります。

視聴者を巻き込んだ企画について

TikTokでは、ユーザーを巻き込んだマーケティング手法が有効です。ユーザーが参加できる企画を考え、その企画にユーザー自身に楽しんでもらいながら自社の製品やサービスを知ってもらう方法です。

代表的な事例としては、AbemaTVの「#今日好きダンス」や少し古い事例になりますが日本マクドナルドの「#ティロリチューン」などが挙げられます。このプロモーションでは2019年の3月4日から3月26日のわずか23日間で、総再生回数が1億回を超える大成功を収めています。

以上各SNSの現状と、それぞれの特徴を簡単ではありますがご紹介させていただきました。これからの時代、広報・PRで高い成果を上げるためにはSNSの活用を外すわけにはいきませんね。

しかし、SNSで効果を上げるためには、かなり深いノウハウと知識が必要となってきます。最初、取り組むときにはやはり専門のコンサルティング会社に依頼をするほうが賢明だと思います。

そうやってノウハウを蓄積し、社内にある程度ノウハウが貯まったら、自社のみで運用をしていくのがいいでしょう。