PR・広報・広告の違いを簡潔にご説明

PR・広報・広告の違いを簡潔にご説明

私は大学生の時、広告代理店への就職を希望していました。

サークルの先輩が大手の広告代理店に就職していて、その先輩から広告代理店の仕事内容を聞かされると、なんとなく「華やかでかっこいいなぁ」という、憧れのようなものがあったからだと思います。

でも結局は、広告代理店ではなく「PR会社」に就職したわけです。その後、よく友達から言われるのは「PRと広告って同じじゃないの?」ってことなんですよね。

あなたはどうですか?

実は私も、PR会社に入る前は、「PRと広告って同じ」っていうイメージを持っていましたよ。

で、ここからまた話をややこしくして大変申し訳ないんですが、PRと似たような業務で広報というものがあります。友達と呑んだ時にPRと広報の話をすると「何だかよくわかんないな」ってよく言われます。

また、PR会社に就職した後、クライアントさんに広報のお話をすると、クライアントさん自身もPR・広報・広告の違いがよくわかっていなかったりします。世の中的には、「PR・広報・広告」この3つの違いを曖昧に理解している人がたくさんいるんだなぁと実感しています。そこでこのページでは、PR・広報・広告についてご説明しますね。

広告とは

まず一番わかりやすい広告からです。

とは言っても、広告について特に説明をする必要はないかもしれませんので、簡単に書きますね。

広告とは、世間に広く情報を流布させることです。一般的には、主に企業の情報や商品・サービスをビジネス目的で世間に宣伝することを広告と呼んでいます。 英語ではAdvertisementといい、日本ではAdとかアドと略称で呼ばれることも多いですね。

私たちの日々の暮らしの中には広告が溢れかえっています。

民放テレビをつければテレビコマーシャルが流れていますし、スマートフォンでニュース系のアプリを見ても 広告だらけです。インターネットも同じです。ヤフーやYouTubeでも、たくさんの広告が掲載されています。

時々、鬱陶しいなあと思うこともありますが、広告があるからこそ、私たちはたくさんの無料サービスを受けることができるわけです。

テレビやYouTubeを無料で見れるのも、広告という仕組みがあり、広告主の人がお金を払ってくれているから成り立っているわけです。こう考えてみると広告ってありがたいものだなぁと感じませんか?

では、次は広報について説明しますね。

広報とは

まず、あなたは「広報」と聞くと、どのようなイメージを抱くでしょうか?

ちなみに私の友達数人に聞いてみました。すると、全員が次のようなニュアンスの答えでした!

「テレビ局のインタビューに答えている女性」

どうですか?実は私も、昔はそういうイメージを持っていました。

これ、間違いではないですね。

普通の人が抱く広報のイメージは、「マスコミ対応をするお仕事」というイメージなんでしょうね。確かに、これも広報の仕事のうちです。

広報の仕事を真面目に書くと、「自社とステークホルダーとの関係性を構築していくお仕事」と言われています。

これでは一般の方は少し分かりづらいと思いますので、広報の具体的なお仕事の例を次に示しますね。

・自社の新商品・新サービスをメディア(テレビ・新聞・雑誌・Webメディア等)に対して発信します。

・役員変更、経営方針、経営情報等をメディアに対して発信します。新聞などで「●●株式会社が中期5ヵ年経営計画を発表」のような記事を見たことがあるかと思います。あれがそうです。

・社内報の企画制作。これって、ステークホルダーとの関係性を構築する仕事なのか?と疑問に思う方もいるかもしれませんね。しかし、会社で働く社員やアルバイト・パートさんなども立派なステークホルダーということができます。

・株主や投資家に対して、企業の財務状況等の情報を提供します。これはIRと言われます。Investor Relationsの略です。IRは広報だけではなく、財務部や経理部が行うこともあります。最近ではインターネット取引が盛んになっているので、個人投資家向けの広報が盛んに行われるようになってきました。

・危機管理広報。情報漏洩や不良品販売等が原因で、不祥事を起こした場合、その後の対応が非常に重要になります。対応の仕方を誤ると間違えるとインターネット上で炎上したり、信用の失墜を招き経営に甚大な被害を及ぼすこともありますから重要な仕事となりますね。

いかがでしょうか?広報の仕事のイメージが明確になってきたでしょうか?

企業が何か不祥事を起こしたりした時、その会社の出勤途中の社員にマスコミの人がインタビューしている動画を観たことがあるかと思います。

その時に「広報に聴いてください」と言っている人が多いですよね。また、会社の統一見解なども広報を通して発表されます。このようなことから広報部門は会社の顔といってもいいのかもしれません。広報部はとても重要な部署と言えます。

はい、では最後に、「PR」についてお話をします。

PRとは

はい、では最後にPRについてご説明します。

「自己PR」という言葉をよく聞くと思います。

自己PRというのは、自分自身の事をアピールするということですよね。このことからわかるように「 PR」 とは、何かを第三者に対してアピールする仕事と言えるかもしれません。しかし、公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会のホームページには PR の定義が次のように書かれています。

「パブリックリレーションズ(Public Relations)とは、組織とその組織を取り巻く人間(個人・集団)との望ましい関係を創り出すための考え方および行動のあり方である。19世紀末から20世紀にかけてアメリカで発展し、日本には第二次世界大戦後の1946年以降にアメリカから導入された。企業・官公庁・団体・他、あらゆる組織の運営に欠くことのできない考え方といえる。」

いかがですか?

少しわかりにくいと言うか。かなりわかりにくいですよね。

で、「具体的にどのような仕事がPRなんですか!?」

と思わず突っ込みたくなってしまいます。

このように難しいというか抽象的な感じで定義されても、一般の人にとっては頭の中が「?」となるでしょう。

しかし、実際、「PR会社」が行なっているPRの仕事は、企業から依頼を受け、その企業の商品やサービス、活動を広く世間に知らせる業務です。

とここまで読むと、「え?それってさっきの広報の仕事と同じじゃないの?」と思う人もたくさんいるかもしれませんね。

そうなんです。PRと広報の仕事は重複しているところがあり、 厳密に広報とPRの仕事を分けることは今では少し難しくなっています。逆に言えば、広報とPRを明確に分ける必要は意味がないというか、必要ないのではないかと個人的には思います。

ただ、広報の仕事を見ると、明らかにPRの仕事でないものもあります。ですので広報業務の中にPRも含まれていると言ってもいいかもしれませんね。
いかがですか?

PR会社についてさらに詳しく解説したページがあるのでご興味がある方はそちらをおよみください。

PR会社とはPR会社の業務についてさらに詳しく解説

広告・広報・PRの違いが明確になったでしょうか?